高次脳機能障害セミナー

8月26日(土)、県総合医療会館にて開催された「高次脳機能障害セミナー」に参加してきました。高次脳・・・聞きなれない言葉です。私も、知りませんでした。今回のセミナーの狙いは、広く、この高次脳機能障害について理解してもらうことでした。
当事者や家族からの体験談を聞き、実生活で生じる高次脳機能障害の影響や課題、何時気づき、どのようなことを思い、どう乗り越えてきたか、という大変貴重な話を聞くことができました。
さて、「高次脳機能障害」とは、具体的にどういうものか?
病気や事故(交通事故も含む)など、様々な原因によって脳に損傷をきたしたために生ずる、言語能力や記憶能力、思考能力、空間認知能力などの認知障害や精神機能の障害を指すようです。
日常生活場面では・・・
今朝の朝食の内容が思い出せなくなった(記憶障害)
物の置き場所を忘れる(記憶障害)
新しいできごとを覚えられない(記憶障害)
仕事に集中できなくなった(注意障害)
ふたつのことを同時に行うと混乱する(注意障害)
作業を長く続けられない(注意障害)
計画が立てられなくなった(遂行機能障害)
人に指示してもらわないと何もできない(遂行機能障害)
約束の時間に間に合わない(遂行機能障害)
言葉が上手に話せなくなった(失語症)
人の話が理解できなくなった(失語症)
お茶の入れ方がわからなくなった(失行症)
道に迷うようになった(地誌的障害)
などの症状が出るとのことです。
このような症状により、日常生活または社会生活に制約がある状態が「高次脳機能障害」、ということになります。
患者数は、30万人〜50万人と言われています。
当然、就業においても支障をきたすことから、正しい理解と、それに応じた職場環境の準備が必要となります。
また、利用者と家族、支援者が、本人の障害と生活上困難な部分を理解したうえで、どのような支援が必要であるかを明らかにし、代償手段の活用や環境調整などの可能性を検討した支援プログラムも用意されるようになっているようです。
そして、これらの症状は、障害年金(精神)の対象となります。
障害年金は、御本人さまの社会復帰、ご家族さまの支援をそれぞれ支える大切な役割を担っています。
共に生きる社会、の実現のためにも、この高次脳機能障害について、さらに理解していきたいと思います。